煎餅の旅と日常

埼玉県生まれ、埼玉県育ち、生粋の埼玉っ子が関東を飛び出し旅へ行く。様々な街へ行き、現地の鉄道に乗り、様々なものを食べた私の旅のゆるい記録です。

北越急行を全力で楽しむ沿線観光(前編/駅・列車巡り編) 新潟旅2019#9

今回の鉄道旅、その最大のメインと断言できる「北越急行」。「はくたか」がかつて走った路と知って、特色のある路線と知って、某小傘ちゃん推し運転士の動画からほくほく線のその魅力を聞いて、すっとずーっと訪問したかった路線でした。路線自体は前回に完乗してしまいましたが、今回は沿線観光も併せて全力で楽しみたいと思います。

 

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くさせんべいの記事リンク集 - 煎餅の旅とご飯と日常の記録

前回↓

糸魚川の町を歩き、トンネル駅へ訪問… 2019新潟旅#8 - 煎餅の旅とご飯と日常の記録

 

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 ということで宿前。見事に田んぼ…。民家はあるので、ド田舎ってわけではなさそうですが、街灯が無かったのはさすがに怖かったです。お化けとか妖怪とかじゃなくて、治安や安全確保の問題で。

ちなみに宿ですが、結構清潔で悪くはなかったように思います。まあ私は二度とリピしませんがね。

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駅へ向かう途中、こんなものを発見しました。てんねん…おんせん…スタンド…?

ずいぶんと謎なものがこの地にはあるようです。家の湯舟に温泉を引き込めるようです。需要あるんだろうなぁ。

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左右に横切る六日町バイパスを通ります。

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遠ーくには関越自動車道が見えます。あそこは夜も車のライトがひっきりなしに動いていた記憶があります。

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まさかの一部信号機が動いてません。おいまぢか。

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てくてく歩くこと約15分、六日町駅に到着しました。

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跨線橋から。左2本がほくほく線の発車ホームです。

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時間はあるので東口の駅舎をパシャリ。

駅内に戻ります。

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運行情報板がありました。列車位置だけでなく、その種別も表示してくれる超親切仕様。ほくほく線の途中駅はほとんど無人駅なので、運行情報が1画面で全て分かるこういうのが必要不可欠なんでしょうか。でもJRだとこういうのが無い無人駅の多さを考えると、北越急行の親切ともいえるのかもしれません。

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本日はこの列車…というより、この時間の列車に乗りたくて六日町駅周辺に宿泊しました。車両はHK100系。1両編成というたいへん短い電車。

本日はまずこの電車に乗ります!切符は引き続き「えちごツーデーパス」を使います。

 

[六日町6:18→儀明信号場6:55頃 北越急行ほくほく線]

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宿では思ったより時間が無かったので、後ろの運転席横スペースで昨日買った朝食を頂きます。(昨日買った蕎麦だったので腹壊さないか心配でしたが杞憂でした)

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十日町駅。ここで列車交換を行った後、時間調整の為か8分ほど停車します。

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十日町を出発しトンネルを潜ると、間もなく信濃川を渡ります。

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まつだい駅を出ると、列車はすぐに鍋立山トンネルに入ります。単線トンネルなので、気圧が高くなるのか耳がツンとします。

 

さて、この鍋立山トンネルは9,116.5 m の単線鉄道用トンネルです。詳しいことは他のサイトや動画を見ていただくとして、このトンネル、完成までに実に約22年という膨大な時間がかかっています。この付近は泥火山が複数存在する膨張性地山でとても土圧が高く、曰く「トンネルの形を最も丈夫な円形にしてもダメだった」「最新のボーリングマシンが掘削中に押し戻され、しかも圧力により壊された」「当時既に珍しかった手堀りも交えて掘削が行われた」などもはや冗談としか思えないレベルの難工事になったそうです。

 

さてさて、他のところに泊まる選択肢があったのにも関わらず、大して立地もよいわけでもない旅館に泊まってまでこの列車に乗りたかった理由が、この儀明信号場。この列車は特急はくたかが廃止された現在における唯一の「信号場交換列車」なのです。

現役時代は「赤倉信号場」「薬師峠信号場」も活用し、特急や普通列車の交換を行っていて、しかも1日に2回「信号場追い抜き」も行われていました*1。トンネル内という手間かかるところに設置されていることや、信号場が長い線路になっていることは、かつてここが「特急街道」であったことを示す名残の1つでもあります。儀明信号場も交換回数は激減してしまいましたが、幸いにもこの信号場はイベント等でも使われるので当分は休止・廃止されることはなさそうです。

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列車は少し広い空間に出ると、2本に分かれた線路の片方に停車します。

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こちらの列車が完全に停車すると、もう一方の信号は進行を現示。

「ご案内いたします。信号場停車です。反対列車通過を待ちます。発車まで3分ほど、お待ちください」

列車は停車するとすぐに、交換列車が空気を押すごうごうという音が響きはじめます。

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そして数分後、交換列車が横を勢いよく通過していきました。

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 交換列車が走り去ると、こちらの停止信号もまもなく進行を現示し、乗車電車は発車しました。

しばらく走ると、ほくほく大島駅に到着します。こちらは単線の棒線駅ですので列車交換はできません。

 

さて、直江津方面はしばらく用事がないのでどこか適当な駅で降りて引き返します。その降りた駅というのが

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大 池 い こ い の 森 駅

秘境駅マニアもあまり来ないであろう小さな駅です。最速達列車はもちろんのこと、快速にすら通過される不憫な駅です。なぜここに降りたし。

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乗車電は去っていってしまいました。他の降りた人もいないので、1人ぽつーん。

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反対側。

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改札を出ます。当然ではありますが無人駅です。

駅前はロータリー?が整備されています。

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駅舎。結構立派に作られています。

自販機もありました。こんな駅に自販機置いて採算とれるのでしょうか…?

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バス停。本数はまあまあありますが、日中のバスが全くない鬼畜仕様。駅前なのに中継点なあたりもうなんとやら…

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駅舎内には手作り感あふれる沿線案内があり、温かみがあります。

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時間が近づいたのでホームに戻ると、折り返しの列車がやってきました。さっきの電車が犀潟に到着するのと入れ替わりでほくほく線に入ってきた列車です。この列車で、今度は注目される方の秘境駅へ行きます

 

[大池いこいの森7:28→美佐島8:01]

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虫川大杉駅で列車交換。このまま十日町を通り過ぎます。

 

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ということでやってきました 美 佐 島 駅

私が通った土合駅筒石駅に並んでトンネル駅の1つと言われる駅。土合駅筒石駅はホームにいてもお咎めはありませんでしたが、この駅は列車通過があまりにも危険すぎて列車到着前後以外でホームに滞在することは禁止されています。監視カメラがついていて、長時間ホームにいると放送で退出するよう言われるんだとか。

ホームはやはりトンネル駅らしくひんやりしていました。

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駅を出るまでに重厚そうな扉が2枚あります。安全上の理由によりホーム側の扉は列車が来るまで開きません。また、片方が空いている場合もう片方は閉まるようになっています。なんでも両方開けっ放しにしてはくたかを通過させる実験を行ったところ風圧で駅舎の窓ガラスが割れたとかなんとか。

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扉を開けると、筒石駅よりかは段数が少ない階段がありました。

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階段を昇り振り返ります。

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駅内には和室の待合室が設けられるなど、重厚感のあるホーム前とは打って変わって温かみの感じられる駅舎となっています。

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いかにも山の上にありますって感じの駅です。

本当は美佐島駅を通過する列車も見たかったんですが、大変残念なことに美佐島駅で通過列車を撮ろうとするとロスになる時間がかなり長かったので断念しました。

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ということでホームに戻り、1駅移動します。これにて3大トンネル駅全制覇です!

  • 3大トンネル駅を通る 3/3 Conplete!

 

[美佐島8:22→魚沼丘陵8:28]

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私と同じタイミングでやってきたファン(らしき人)は乗らないことを選択したようです。それから、この駅マニアばっかりかと思ったんですが、どう見ても観光客とは思えないおばさまがいらっしゃったあたり日常利用客もいらっしゃるようです。

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魚沼丘陵駅で下車。

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この駅は時間があったのでちょっと来てみたかった駅、というだけです。お手洗いは外にあるようですね。

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田んぼが広がる、いい意味での田舎。ただ田んぼだらけというわけでなく、家も複数建てられています。

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折り返し列車がやってきました。複数人の地元利用客がいて、細々ながら地元住民の重要な足となっていることがよくわかります。

この列車は特別なラッピングがなされているようです。

 

[魚沼丘陵8:41→ほくほく大島9:08]

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ということで前日からカウントして4回目の十日町を通り、ほくほく大島駅にやってきました。

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少し高いところにある線路に横付けするような形で駅舎がついています。なんだかデザインとしては柱の上に駅舎乗っけたような感じですね…

ここから、少し歩いて目的地へ向かいます。が、今回はここまで。

 

次↓

北越急行を全力で楽しむ沿線観光(後編/沿線観光編)+地元へ 新潟旅2019#10(終) - 煎餅の旅とご飯と日常の記録

*1:現在の単線における信号場追い抜きは、(私が確認する限り)長崎本線上りの1本のみであり、そこも長崎新幹線の開通により廃止になる可能性が高く、風前の灯火。複線を含めていいなら鹿児島本線太宰府信号場がありますが、こちらも新幹線開通による特急減少でどうなることやら。残念なことにここに注目するマニアはかなり少ないので、記録も数える程度しかありません。