春日部高架化!…に関するつらつら
こんにちは、くさせんべいです。
先日、東武公式より、春日部駅立体交差事業の施行協定を締結したとの発表がありました。簡単に言うと「春日部駅を高架駅にすることにしたよ!」的な発表。
個人的にいろいろ思うことがあったので、ちょっとこの発表に関して色々書いていきたいと思います。
春日部駅を高架化?
今回の発表で高架化されることになったのは春日部駅とその前後、具体的には
野田線(アーバンパークライン):約1.9 km
の区間。
事業期間は今年(令和元年度)~令和13年度
総工費は約650億円
となっています。
高架化区間を図にするとこんな感じ。
東武からの公式発表は今回が初めての可能性がありますが、構想自体は前からありました。…ということでちょっとYouTube漁ったら、2013年に春日部駅高架化について触れた都市計画ムービーが投稿されていました。現在の計画とちょっと差異はありますが。
高架化の理由
なんで高架化するかって言えば、理由は単純でこの周辺の踏切が「開かずの踏切」と化していたからですね。柏方面は単線の野田線ならともかく、伊勢崎線は各停に急行、特急が往来する幹線。しかも朝ラッシュになると列車が詰まりだすという…。それから東西(正確には南西ー北東)の行き来が大変で、鉄道により地域が分断されてしまっているような状況だったのも理由のようです。
春日部駅自体が抱える問題点は?
こちらが現在の春日部駅の配線図。旅客列車が通らない線は点線にしてあります。
見ての通り、上り線が1面1線しかありません。退避?相互発着?なにそれ美味しいの?
一応2番線がありますが、ホームはないので当然旅客列車は退避できません。しかも1番線が直線の構造なので、唯一通過するりょうもう号を2番線経由にするのもほぼほぼ無理っていう。現状2番線は回送列車が使うのみとなっています。
さらに地上駅なので、駅の東西移動が大変です。しかも西口側にはエスカレーターすらないので、エレベーターを使うか階段をのぼるしかありません。
それから、通路もお世辞にも広いとは言えません。
まあ要するに、ターミナル駅としては古すぎる…という感じだったんですね。
高架化後は?
高架化すれば
「東西移動の不便性」「開かずの踏切」「ホームや通路の狭さ」などが解消されるようです。
それから高架化後の配線図予想。計画では4面8線の大ターミナル駅になる計画となっています。つまりはなんと野田線は急行退避駅となるようです。
もちろん伊勢崎線の上りは退避可能に。これにより上り急行(区間急行)が特急を退避できるようになるので、ダイヤを組むときの制約が薄れるほか、ダイヤ乱れ時も柔軟な運用が期待できます。…え?今まで?せんげん台駅は待避線の使用頻度が多すぎてとても退避できるような状況じゃなかったから基本越谷まで追い越せないような状況だったよ?
りょうもう号は春日部通過だから伊勢崎線は高速化のためにもおそらく1線スルー構造になると思います。野田線は不明なのでとりあえず1線スルーで書いてみましたが、急行停車駅であることと制限速度、用地を考えるとY字分岐になる可能性も考えられますね。伊勢崎線ー野田線直通列車は主に4・5番線を使うことになるでしょう。最初は伊勢崎線下り列車が2番線に入れる構造も考えましたが、ギリギリの設備でやりくりする東武のことだから使わないだろうと考えて省きました。…でも春日部駅2番線折り返し列車も十分考えられるかも?いやいやまさか…ところで野田線春日部止の列車は(ry
鉄っちゃんの聖地…撮影ポイントはどうなる?
一瞬で鉄っちゃんと認定されてしまう列車撮影。
じつは春日部駅周辺は東武線内でも優良の撮影ポイントが多くあるのですが、この高架化の際にいくつかの撮影地は消滅してしまいそうです。
ということで再びこの図。
駅の前後が高架化されてしまうので、春日部駅向きを中心に数か所撮影できなくなってしまう構図があると予想されます。
なお、駅南東側の撮影地しか行ってないのでそこについて解説していきます。西側は伊勢崎線は微妙ですが、野田線には優良撮影地がある可能性が無きにしも非ずな感じですね。
☆1 野田線
伊勢崎線をオーバークロスし、春日部へと向かうこの構図。電柱と奥の家に邪魔されるので、うまいこと撮影できるまでは何度かリトライする必要があります。少し難しいですが、編成全体が綺麗に入るこの場所はものすごーく有名な撮影地。
立体化する際にここは複線化されるので、やがてここは消滅してしまうのではないかなって思います…といいつつも、複線化事業はまだまだここまで伸びてないのでしばらくは安泰でしょうが。撮影はお早めに。あとベストポジションは狭いので譲り合って撮影するように。徒歩2分で伊勢崎線の撮影地へ行けます。
☆2 伊勢崎線上り
←再掲
長距離にわたり線路がカーブしているため、曲がってきた電車が撮れる優良スポット。内側は建物なので、編成全体を入れるのはなかなか難しいと思います。車通りが少ないので柵に寄れば安全に撮影ができます。
こちらは高架化の範囲に含まれていないため、今後も撮影スポットとして残りそうです。(といってもかなり範囲ギリギリなので消えてもおかしくはないかも…)
☆2 伊勢崎線下り
これもまた結構綺麗に撮れます。…が、残念ながらこの辺は高架化されるため、高架を下ってくる電車を見上げる視点になるかもしくは壁に隠れてしまうことになりそうです。
☆3 伊勢崎線下り
←編成切れてる
☆2の踏切を渡った内側。長い編成は撮れなさそうな撮影地ですが、電車が傾き迫力ある写真が撮れる場所です。ここは正直わからないですが、ギリギリ範囲外っぽいです。
ちなみにこの写真に見える小さい踏切、上りりょうもう号の通過に合わせて早めに閉まるため、場合によっては開かずの踏切と化します。オマケにここ地元住民めっちゃ使うので遮断時間が長引くと自転車歩行者の列が形成されることもしばしば…
☆3 伊勢崎線上り
←編成入ってない
こちらも同様。高架化でギリギリダメかもしれません。
ちなみにこれらの写真は☆より春日部駅寄りで撮影しましたが、これらは全滅すると考えていいと思います。
ということで、結構存続が危うい撮影地が結構たくさんあります。早いと今年度中に工事が始まってしまう可能性もあり得るので、早めに撮影にいったほうがいいです。
なお近年、SNS上において一部の常識のない撮り鉄による迷惑行為が散見されます。列車撮影は安全と周りの人に気を配り、線路及び敷地内に進入しない・フラッシュを焚かないなど基本的なルールを守ったうえで行ってください。撮影者の行為があまりにも酷い場合、最悪高架化工事のついでにコンクリート壁が設けられて撮影できなくなってしまう可能性もあるんじゃないかと個人的に思っています。
雑記
ということでいろいろ思ったことを殴り書きしてみました。高架化工事が完了した暁には、春日部の町は大きく変わることになると思われます。私としても今の古くて狭くてボトルネックと化している春日部駅が改良されることは望ましいことだと思っています。あとは用地等をどうするかという話ですが…そこに関してはどうとも言えないです。私としては、駅東側にある、線路をオーバークロスする道路の橋が高架化に際してめっちゃ邪魔になると思うんですけれども、そこをどうするつもりなんだろうな…って思ってますね。あとは春日部駅付近だけ線路が東西(正確には北西ー南東)になってるから日照権どうなるかって話でしょうか…。工期10年以上と長いですがひとまず何事もなく無事に工事が終わることを祈るばかりです。