煎餅の旅と日常

埼玉県生まれ、埼玉県育ち、生粋の埼玉っ子が関東を飛び出し旅へ行く。様々な街へ行き、現地の鉄道に乗り、様々なものを食べた私の旅のゆるい記録です。

磐越西線の指定席車に乗ってみる 北海道陸路旅#C1

ということでこんにちは。くさせんべいです。

今回の旅行で、先日のダイヤ改正をもってサービスを開始した磐越西線の指定席サービスに…ではなく、その前日の無料開放期間ですが、E721系に設けられた指定席区画にちょこっとだけ乗ってきたので、これを「チャプター1」と題して簡単にレポートしていきたいと思います。

基本情報とかいっぱい載せますけど、あくまで乗車記だからね!

 

もくじ↓

 

基本データと導入経緯

名称 :快速あいづ

線区 :磐越西線

区間 :郡山~会津若松

本数 :土休日問わず3往復(都合により一部設定の無い日あり)

車両 :E721系

座席数:14席(内1席は車椅子対応座席)

料金 :530円(閑散期330円) 予約は1ヶ月前から

座席 :回転リクライニング(手動)

シートピッチ:960mm

コンセント :無し

 

 

時刻表(2020年3月時点)

例 B駅 2111

     ↑

  A駅 2108

⇒A駅を21時(午後9時)8分に出発し、B駅を21時11分に出発(または到着)する

 

     1号  3号   5号     2号   4号  6号

郡山   1041  1545  1948    1011  1519  1815

郡山富田 1045  1550  1953    1007  1515  1811

喜久田  1050  1554  1957    1003  1510  1807

磐梯熱海 1100  1602  2007    0956  1502  1800

      ↓      ↓    ↓      ↑     ↑     ↑

猪苗代  11:19  1622  2026    0936  1441  1740

磐梯町  11:36  1636  2042    0923  1427  1723

会津若松 11:50  1650  2056    0909  1413  1710

 

会津若松市福島県西部の会津地域に位置する市町村で、江戸時代には会津藩の城下町として盛えたため現在では観光資源として古き良き街並みや鶴ヶ城を有する地域でもあります。観光客需要が比較的多く、磐越西線は郡山から新幹線に接続して首都圏ー会津地域及び磐梯熱海・猪苗代等の輸送を担います。

かつては上野発着の直通特急*1が走っていた路線で、上野発着列車廃止後は郡山~会津若松で快速あいづライナーが磐越西線の指定席車両として走っていました。しかしながら2015年をもって車両の老朽化により廃止、磐越西線から定期指定席列車は消滅し(臨時列車を除いて)全車自由席の普通・快速列車のみが走る路線となっていました。

 

近年では東武からの直通ルート(鬼怒川経由)が開拓されつつありますが、現在でもやはり会津若松の中心地域へは新幹線+磐越西線の利用が速くて快適でしかも切符が買いやすくて便利な状態なのは変わりありません。そのため観光客…だけでなく、会津若松へ客人を呼ぶ地元住民、商談で会津若松へ向かう人達からも指定席の要望がずーっとあがっていました。

実際、(もうなかなかたどれなくなってしまいましたが)インターネットには指定席を導入してほしいという要望を示した資料がいくつかあがっていました。

 

詳しくは↓

www.minpo.jp

 

実際に乗ってみる

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ということで郡山駅。2020年2月22日から3月13日までは指定席区画が「自由席」として開放され、乗車券のみで乗車できました。乗車日は丁度3月13日、ダイヤ改正及びサービス開始を翌日に控えた日でした。

せっかくなら思いきって郡山~会津若松で乗りたいところではありましたが、このあとの予定が控えているため本当にちょこっとだけの乗車です(そもそも実はこの乗車自体が旅のオマケ)

まずは郡山9:38発の普通列車乗ります。当然ながらリクライニングシートなぞついておりません。

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やってきたのは2つお隣の喜久田駅

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そして下車から16分後、先ほど乗った電車と磐梯熱海で交換し安子ヶ島を通過してきた、喜久田10:03発の快速(現在は「快速あいづ2号」)に乗車します。

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無料開放期間もサービス開始後の時刻と同じ時刻で運転されていましたので、この列車にも指定席がついておりました。

乗車時間8分の本当のチョイ乗りです。

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↑郡山到着後に撮影したものなので少々フライング

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乗車直後は窓際が全て埋まっていたので通路側に着席。

座り心地ですが、シートは結構柔らかく良さげな感じでした。

 

その後、窓際が空いたので窓際に移りました。

※乗車時は自由席のため席の移動ができました。現在は指定席券を持った人が指定した座席にしか乗車できません。

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ということで座席回り。シートピッチは960mm*2で乗車してみると少し窮屈そうな印象を感じますが、座席下に足を伸ばせるスペースがあるため、少々大柄な私でも思ったほど狭い感じはしませんでした。

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背面には大型の背面テーブルがあった他、ドリンクホルダー、パンフレット等を入れる網がついていました。

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回転して4席のボックスシートにしたときの利用を考えてか、ひじ掛けにも小型テーブルがついていました。

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とここで郡山に到着。清掃のおじさま達が入ってきたので、さっさとどきます。座席は折り返し列車の発車までの長い停車時間に弄繰り回すことにします。

出来れば無人のガランとした区画を撮影したかったのですが、郡山到着後ドア開くと同時に入ってきて必死に食い入るように区画前で待っていたオッサンが清掃が終わるやいなや突っ込んできたので撮影はできませんでした。残念。というか発車まで丸30分あったからゆっくりしてくれてもよかったんじゃ…

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指定席区画の雰囲気。ガラガラの状態で撮れなかったのが残念です。

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空いていた単独席(1列分しかない席)に座ってみます。座席はボタンによるリクライニングで、座面は動かない様子。無許可で一気に倒すとトラブルになりかねないのできっちり声をかけた方がよさそうです。

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座席をフルに倒すとこんな感じ。

ちなみに、最先頭席は背面テーブルがありませんので座席横に格納された小テーブルを使うことになります。

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少し広いとはいえ足も後部の席ほど伸ばせないので、正直外れ席かも…

(あ、でも両肘にテーブルが格納されているっぽいのであんまり不便じゃないかも?郡山行の場合はこの単独席は最後方になるのでおひとりさま向けの大当たり席に化けますね。)

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車椅子を固定するベルト、兼座席回転ペダルです。ペダルを踏むとリクライニングが一気に戻り、また座席を回転できるようになります。

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座席最後部。置いたのが私の小さめのスーツケースなので目安としてはアレですが、結構広めです。訪日外国人がたま~に持ってくる呆れるほどバカでかいスーツケースでもない限り、リクライニングしても荷物と干渉することはあまりなさそうな印象です。

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指定席区画は1両の半室のみ。モケットの色をガラッと変えており、その雰囲気の違いは従来の部分と比べると一目瞭然です。完全ではないにせよ指定席区画は仕切りで区切られてもいるので、指定席券を持たないで誤着席するケースはあまりなさそうです。指定席券を持たずにずかずかと入り込んで来る度胸あるのか馬鹿なのかよくわからない人は出るのでしょうか。

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見ての通りお手洗いがすぐ近くにあるので、お手洗いが近い人も安心の設計です。これは便利ですね。

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ワンマンとしての使用を想定しているのかは不明ですが、整理券発行機が付いてました。

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外見。堂々と「指定席」と書き、塗装も非常に分かりやすいものとなっています。

桜のイラストがいい味出してますね。

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反対側から。どうせだったら赤帯もピンクに変えれば統一感が出てよさそうな感じがしますが、その辺はよくわかりません。

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ということで乗車レポート終了。今後は指定席塗装と自由席の表示の組み合わせや、この塗装と「快速 会津若松」幕の組み合わせは結構貴重な組み合わせになるんじゃないかなって思っています。それはさておき。

この列車は「快速」ですので、企画乗車券である青春18きっぷ北海道&東日本パスでも別途指定席券を購入すれば乗車できます。1時間ちょっとですがわずか530円の追加料金で快適に移動できるので、同区間に乗る18きっぱーにとっては指定席を抑えるメリットはそれなりにあるんじゃないでしょうか。

 

先代の指定席が廃止されて以来、多くの人が待ち望んだ指定席。5年の歳月を経てついに復活まで漕ぎつくことができました。…もちろん、利用客が少ないと廃止になってしまう可能性も考えられますので、積極的に指定席を利用してもらうための取り組みは行っていく必要はあると思います。でもまずは…指定席の復活を喜ぶこととしましょう。

 

それでは、磐越西線のさらなる発展を願って、このレポートを締めたいと思います。

では、また。

 

記事リンク↓

くさせんべいの記事リンク集

 

 

*1:東北新幹線開業前及び開業後数年間運転。もちろん全区間在来線を走行

*2:JR東日本の標準型ともいえるE257系(かつてのあずさ・かいじ号、多くのさざなみ、わかしおしおさい号、一部の踊り子号、臨時の富士回遊91・92号などに使われる車両)と同等