煎餅の旅と日常

埼玉県生まれ、埼玉県育ち、生粋の埼玉っ子が関東を飛び出し旅へ行く。様々な街へ行き、現地の鉄道に乗り、様々なものを食べた私の旅のゆるい記録です。

ダイヤグラムを書いてみた話(宗谷本線)+宗谷本線の「急いで行かない」臨時急行

なんかいいお題がありますねっと…お題「#おうち時間

 

ということでこんにちは。くさせんべいです。

最近の自粛ムードで私も引きこもり状態となっており、そろそろ外に行きたいなって思っている状況です。早く終息してほしいですね。

 

さて、終日暇…というわけではなくなりましたが、家にいる時間が半年くらい前までより圧倒的に長くなり、空き時間が多くできました。そんな中、時刻表を読んでいた私はふと思い立ち、こんなものを作ってしまいました。

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鉄道関係者なら一度は見たことあるはず。鉄道の運行時刻を示す「ダイヤグラム」です。

私は複数ある路線のうち、「宗谷本線」のダイヤグラムを作成しました。

特にスジ屋になりたかったとか、ダイヤグラムを作る趣味があったとかではなく、本当に思いつきで唐突に作り始めてしまったものです。

本当は自己満足で終わらせるつもりだったのですが、もったいなかったのでここで公開してしまうことにしました。

ちなみにガチ勢の方がしっかりしたダイヤグラムをPDFファイルで公開していますので、実際に参考にするのはそちらの方がいいです(「宗谷本線 ダイヤグラム」と検索すると出てきます)。

 

やり方はまず250×180の方眼紙(これが手元にあった)を用意。縦軸を駅(の起点駅からの)距離、横軸を時間として、時刻表を見ながら一つの列車の到着駅・到着発車時間を打点してから点同士を定規で結ぶを繰り返し作成しました。

ただ私が書いた宗谷本線の場合途中に途中駅がたくさんあるので、それの時刻をいちいち打点してたらキリがなくなってしまいます。そこで、時刻照会するのは上下列車行き違いが可能な駅だけとしました。旭川新旭川は複線ですが、そちらは省略することにしてしまいました(というか書く前は複線区間で行き違いしてるとは考えてなかった)。

縦1マス=営業キロ1km、横1マス=3分としましたが、マス目縦250マスに対し宗谷本線の営業キロは259.4kmだったので、そこはマスの外まではみ出して対応。回送は時刻表からはわからないのでもちろん省略、貨物列車も北旭川までしか来ない(うえに持っていた貨物時刻表が3年前のものだった)のでこちらも省略しました。

 

ということでこちらが完成されたダイヤグラム。スキャナみたいなのがあればよかったのですが、無かったので写真で。

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写りの悪さとか、ガバガバなところとか、書き逃し・不備とかはカンベンしてください。あと本職では特急や快速を別の色のペンで書いているようですが、私は修正の可能性を考慮して全て鉛筆で書いてます。

 

作成時間は10時間…はさすがにかかってないとは思いますが、気づいたら結構な時間を要していました。

路線の長さの割には交換設備が貧弱であるため、ぱっと見スカスカなダイヤであるように感じますが実は思った以上にダイヤ作成に制限があることがわかります(横線が引いてある駅のみが上下列車行き違い可能な駅)。そんななか、待ち時間を減らしつつも旭川周辺の本数を確保するための工夫が随所で見られ、スジ屋の涙ぐましい努力の後が見え隠れします。

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最もダイヤ作成の苦労が見られたのがコチラ。分かりづらいので線を引いてみます。

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それがこの黄色いスジ。「なんだこの列車は?!」といいたくなるようなこの列車は「花たびそうや号」。2020年は運休となってしまった臨時列車です。ちなみにこれ「急行」です。急行=急いで行かない

これぞまさしく宗谷本線の貧弱さに苦しめられた列車と言えるでしょう。

 

旭川を出た列車は快速より時間をかけつつも和寒へ。ここですぐ発車していれば名寄まで逃げ切れそうですが、途中下車の時間を確保するためかここで時間調整。その間に普通列車に追い抜かれます。その後剣淵まで行きますが、ここでもまた停車。この後ろから特急宗谷が迫っているうえに、その宗谷号は士別で特急サロベツ2号と行き違いが予定。士別は2線のみで3本の列車が入れないので、やむなく剣淵で停車。その後、士別へ行くも対向の普通列車が来ているのでまた停車。交換を終えようやくダイヤの制約が外されるのです。

下りも同様の鈍足っぷり。名寄までは順調ですが、風連(通過扱い・運転停車)で列車交換があるので名寄で時間調整。また後続の列車の交換が蘭留(2線のみ)で交換するので、塩狩でも停車。その横を快速がノンストップで通過していきます。そして通過していった快速と蘭留で交換した対向列車を待ってから発車、ようやく旭川へと向かうことができます。

 

 「花たび」と名乗っているので、おそらくは途中沿線の桜の観光を目的としているのだろうと思われますし、実際下り(1号)は途中の駅で20~30分程度と長時間の停車を繰り返してるので「途中下車して花見してもらおう」という意図もあったと推定されます。が、こうやってダイヤグラムに起こしてみると、花見・観光用に設けまくったのだろうかと思った長時間停車は、その実きついダイヤの合間に臨時列車を通すための苦肉の策でもあったのだろうと考えられます。

 

さて書いてみた感想ですが、まず猛烈に時間がかかります。が、書いていくにつれ時刻表だけでは推測が難しかった列車の動きがわかりやすくなりますし、こうやって書き込めば回送の時刻やスジを通しやすい時刻、また、なぜこんな不便なダイヤ設定になっているのかというのもわかってきます。紙に書く以上完全な時間の無駄ですが、趣味としてはなかなか面白いものだったりします。

ただ、実際に現場で使うとなれば、駅到着時刻・発車時刻・列車番号等を入力すればダイヤグラムを作れてしまうプログラムを作ってしまった方が断然楽ですし、新しくスジを作るにしても「営業キロを入力すると距離に対応した横線が引かれ、また1分(または15~30秒)単位で縦線が引かれている表を一瞬で作れるソフト」ぐらいは必要だと思います。

 

何が言いたいかっていうと要するに、スジ屋さんは大変だってことです。

 

実際にダイヤをつくるなら各駅停車だけの複線線区が一番楽ですが、私のようにこうやって時刻表からダイヤを起こすのなら単線線区を書くのが面白いなって思いますね。私が目をつけている長崎本線なんかは途中信号場がいくつもありますので、ダイヤグラムに起こしてみるとなかなか面白そうですね。交換可能駅が多いのでなかなか大変そうですが。