煎餅の旅と日常

埼玉県生まれ、埼玉県育ち、生粋の埼玉っ子が関東を飛び出し旅へ行く。様々な街へ行き、現地の鉄道に乗り、様々なものを食べた私の旅のゆるい記録です。

津鉄、これぞまさしくローカル鉄道 北海道陸路旅#5

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こんにちは。くさせんべいです。

リゾートしらかみに乗ってやってきたのは、青森県五所川原市

ここで降りた理由は単純、これから津鉄こと津軽鉄道に乗ります!…が、時間があったのでちょっぴり駅前観光。

 

各リンク集↓

くさせんべいの記事リンク集

2020年「北海道陸路旅」記事リンク集 - 煎餅の旅と日常

(前回)リゾートしらかみに乗って 北海道陸路旅#4

 

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五所川原出て右には津軽鉄道津軽五所川原駅がありますが、列車はまだ来ないのでいったんスルー。

街へ繰り出します。

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駅から、何ともレトロな電話ボックスがありました。

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フラフラと街を歩いて、やってきたのは生鮮市場。マルコーセンターというらしい。

中では様々な海鮮が売られており、奥には食堂もありました。が、今回はスルー。やや静かな街にしては賑やかな場所で、扱っている海鮮も美味しそう。ちなみにここでは買った海鮮…というか、小分けにして売られている切り身とかをその場で食べられるようですよ?

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またまたフラフラと歩いて、駅前にあった弘南バスのセンターまできました。青森の3月というだけあって外は冷えてますが、このバスセンターはストーブが焚かれていて大変温かく…いやちょっと暑いくらいかも?石油ストーブのこの香りがまた、いい感じの田舎らしさを感じます。

で、ここに来た目的は奥にある蕎麦屋五所川原到着時点で既にお昼時間帯であり、お昼どこで食べるか考えていましたが、評判と安さからこのお店へ。

じょんがらそば…でしたっけ。そういう蕎麦もありましたが、特殊なそばというより具材をいろいろ載せた蕎麦らしいので今回はシンプルに天蕎麦を。

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蕎麦屋を切り盛りするおば様の手慣れた手つき。バスセンターの蕎麦というだけあって、みるみるうちに蕎麦が出来上がっていきます。

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あっという間に完成した蕎麦。いかにもシンプルな蕎麦ですが、天ぷらはよくある海老天とかかき揚げでなく、カップそばに入ってるような天ぷらでした(ものすごくチープな例えですが、それしか思いつきませんでした…)

このお蕎麦がこれまた不思議で、尖った特徴があるわけでもないのにもう一口、もう一口と汁が入っていくんです。

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旅では酒田のラーメンに続く「飲み干し」。その後、おば様と少し世間話。「汁飲み干す人、結構いるんですよ」と朗らかおっしゃっていました。

ご馳走さまでした。

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まあまあな足の疲れ…を感じるだけならやや無理してでも歩くのですが、なんかどうも元気が出ない…と感じていたのですが、よくよく考えたら本日、5時頃に起きて以来ずっと動きっぱなし。明らかな寝不足の反動を感じながら、JR五所川原駅の待合室でぐったりしておりました。

一本前の列車に乗ってもなー…と思ってお見送りしたのですが、まあこの判断は失敗でしたね。結局1時間動けなかったわけですし。

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ところかわって津軽五所川原駅。雑多なその駅はずいぶんレトロで時代を感じさせます。左に見える窓口にて往復の乗車券を購入。この鉄道会社ではいまだに硬券が現役で活躍しております。

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発車時刻表。漢数字というのがまた。

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改札が開始されたので、中へ入ります。

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ということでここからは、日本最北端の私鉄津軽鉄道へと乗車していきます!

ずいぶん古びた感じの気動車(失礼)だと感じたのですが、1996年製の車両だそうで。津軽21形気動車というらしいです。

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後ろにはストーブ列車に使われる客車がくっついていますが、今は乗りません。詳しくは後ほど。

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かなりボロボロの気動車が無作為に置かれています。

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簡易時刻表

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客車からは煙がモクモクとあがっております。

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時間が迫ってきているので、いい加減乗りましょう。

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ガラガラとディーゼル特有の音を立てながら、列車は発車していきます。

 

[津軽五所川原津軽中里 津軽鉄道]

さすがに寝不足の反動がやばく、このコンディションでは今後の行程に悪影響を与えてしまうので、発車を見届けてまもなく目を閉じます。( ˘ω˘)スヤァ

……

………

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爆睡して終点まで寝過ごし…なんてことはなく、おおよそ15分くらいで自然に目が覚めました。

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目覚めて間もなく、金木駅に到着。

この駅はかつて超有名文豪、太宰治の生家を活用した「斜陽館」の最寄りであり、津鉄観光としてここまで乗って引き返す方も結構いるんだとか。太宰治っていうのはもはや語るまでもないですが、「走れメロス」とかを書いた作家ですね。

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ここ金木駅は津鉄でも重要な駅…というか、唯一の交換可能駅となっています。

当駅で列車の行き違い、および鉄道の通行証であるタブレット・スタフを交換する光景が見られます。

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まもなく列車発車時刻。そそくさと乗り込みます。

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終点、津軽中里へ向け発車します。

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雪の積もらない冬ということで、列車から見える車窓はほぼ茶一色の殺風景。

列車はガタンゴトン、ガタンゴトン、とジョイント音を立てながら走ります。…というか、こういう典型的な「ガタンゴトン」というジョイント音なんて初めて聞いたんですが(通常、地方路線でも「ガタン、ガタン、ゴトン、ゴトトン…」という感じの音)

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ちなみに、今乗っている列車は通過駅があります。かつては「準急」なんて呼ばれ方もされていたとかなんとかで、準急の名前が無い今でも稀に「日本最北端の準急」なんて呼ばれるとか。

途中駅は1面1線の棒線駅がほとんどなので、その駅が通過駅かどうかは停車通過駅リストと現在地がいくつ目の駅なのかを常に把握しておかないとわかりません。

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これまで私1人と他数人だけを乗せて走っている列車でしたが、途中駅からおじさんが乗ってきましtぎゃあぁあぁーーΣ(゚Д゚||||)!

いやいやいやちょっと待って?!途中駅から乗ってきたおじさんがいたのですが、なんかそのおじさんが乗ってきた瞬間に猛烈にヤバイにおいが…!!加齢臭とかデブオタ汗の臭いなんて可愛く見えるレベルで凄まじいスメルを発するとか何者ですかあんた?!

そのおじさんが中ほどのボックスに着席。

席帰れねぇ…

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そんなスメルtrおじさんとキモオタ(私)を乗せた気動車は、客車を引っ張りながら津軽中里駅へ。

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終点、津軽中里に到着!

すぐに始まる入換作業を見学します。

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後ろにくっついていた客車は無動力。自力で動けないので、動力のある気動車を前方に繋ぎ変えます。運転台があり気動車や機関車を遠方から操作できる「制御客車」であればこんな手間は必要ないのですが、この客車は旧型客車かと思えるレベルでかなり古そうな車両であり、それゆえ運転台なんてものも存在しません。

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隅っこに来たらポイントを切り替え、横の線路へ。

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ここで列車が踏んでいる踏切は、よくある電子音の踏切でなく鐘を鳴らすタイプのこれまた珍しい踏切で、カンカンカンカンという音が響きます。

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ポイントをの前にて停車。

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乗務員が降りてきて、ポイントの切り替えを手動で行います。そして、ポイントが正常に切り替わっていることを確認すると、警笛一つ上げて列車が出発。

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再度ポイント切り替え、切り替え確認を行い、ポイント切り替えをしていた乗務員を再び乗せるとコチラへと走ってきました。

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停まっていた客車に連結、また押し引きして正常に連結されているかを確認。

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その後、客車を所定の位置まで押し込んで入換作業は終了。

ストーブ列車をやっている間は行っている作業のようで、かなりの手間がかかっているように思われます。

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急ぎ津軽中里の駅舎を撮影、戻って復路の切符を購入します。

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さてここからは、あえて触れなかった後ろの「ストーブ列車」に乗車していきます!

このストーブ列車というのは車内に石炭を燃料とするダルマストーブが取り付けられており、昔懐かしの客車のなか、ストーブで温まりながら乗れるという列車。その性質から冬の12月~翌年3月までの期間のみの運転であり、この列車目当てに鉄オタでない観光客もたくさんやってきます。さすがに経費がかさむため、ストーブ列車券400円が余分にかかります。そのうえ津軽フリーパスのようなフリー切符では一切乗れず、乗車には通常の乗車券が必要です

乗車する客車はオハ462。客車についてはまったくのちんぷんかんぷんなので詳しくはふれないことにします。

ひとまず乗ってしまうことにしましょう。

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連結面。

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いかにも古いですって感じの旧型客車(旧客)であり、味があります。さてさて間もなく出発時刻です。

 

[津軽中里→金木→津軽五所川原 津軽鉄道 ストーブ列車]

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こんな感じで車内にはダルマストーブが2基備えられていて、いち運行につき2回程度投炭の様子が見られます。

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そしてストーブ列車の目玉の1つといえば、コレ。

ストーブ列車では、買ったスルメイカを焼くことができます!といっても自分で焼くのではなく、車内販売で売られているスルメイカ(500円)を買うと、乗務員が焼いてちぎってくださる、という感じです。

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ということでじゃん、スルメイカ調理完了!ただでさえ乾燥しているやつをさらに焼くので、相当硬くなります。…が、嚙み続けると旨みがよく出て来ます。車内ではスルメイカを買って焼いてもらう人が結構いて、スルメイカのいい香りが漂ってきます。

うーんちょっと多いっすね。このスルメイカは保存食なのでジメジメしたところでなければかなり長期間食べられます。なので、食べきれない分は持ち帰って食べることができます。とはいえ贅沢を言うなら、半分の大きさを300円で売ってほしかったなぁと。

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イカをかじってる間に金木駅に到着。先ほども書いたようにここは太宰治ゆかりの地なので、津軽五所川原からここ金木だけストーブ列車に乗って観光する、という人も結構いらっしゃるようです。

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ちなみにデッキは開放感があるので、是非ともデッキに出て後方展望を撮りたかったのですが、旧客なので扉も走行中に開け閉めし放題であり、それゆえ安全上走行中はデッキに出られませんでした。たいへん残念です。

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車内。

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ボックスシートにはこんな感じでテーブル(多分固定式)が取り付けられています。関東民なので形状的に東武6050形のテーブルを思い浮かべてしまいます。

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照明と、放送設備。この照明って実際に点灯するのでしょうか?

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と思ったら、つきました。常に点灯、というわけではなく、夕方暗くなってきたらつけるようです。そのため、自然からの光が頼りの日中時間帯は客車内はほんのり薄暗いです。

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改めて、全体像。いかにも古い客車ですって感じの雰囲気で、かなり味があると思います。

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車内にはアテンダントさんが乗り込んでおり、案内やワゴン販売などを行います。

ところでこのストーブ列車、この列車では気動車1両が客車を引っ張っていますが、時折機関車により引っ張っているケースがあります。どうして違うのか、というのをアテンダントさんに尋ねたところ、「客車を2両編成にするときは牽引力が足りないので機関車牽引にする」ということを教えていただきました。

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そして気づけば、あっという間に終点津軽五所川原駅に到着。

温かなストーブが焚かれた車内で揺られる、という体験はなかなかない貴重な体験だったように思えます。

これにて津軽鉄道は完乗ですが、道中の金木駅とか、津軽中里駅とか、他まだまだ現役レトロな設備とかはほとんど味わい尽くせていないので、また一つ勉強してからリベンジしたいところです。

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列車の入換作業中。ゆっくり見学していきたかったところですが、次の列車まで時間もそんなにないので急ぎ乗り換えます。さらば!津軽鉄道

 

さてここからは、本日の目的地・青森県青森市へと向かいます。が、区切りがいいので今回はここまで

つづきます

 

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