煎餅の旅と日常

埼玉県生まれ、埼玉県育ち、生粋の埼玉っ子が関東を飛び出し旅へ行く。様々な街へ行き、現地の鉄道に乗り、様々なものを食べた私の旅のゆるい記録です。

リゾートしらかみに乗って 北海道陸路旅#4

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1日1本の快速に乗って秋田駅までやって来ました。時刻はおおよそ朝8時頃。ここからは快速リゾートしらかみに乗ります!

 

記事リンク集↓

くさせんべいの記事リンク集

2020年「北海道陸路旅」記事リンク集

前↓

越後じゃない湯沢駅訪問+奥羽本線、唯一の快速に乗って 北海道陸路旅#3

 

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もう夕方の列車の発車案内が出てる…

7時間以上後の列車ですよこれ(´・ω・`)チナコレフラグナ

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ちなみに今回乗るリゾートしらかみ、「ブナ編成」「青池編成」「くまげら編成」の3種類があります。どこに何の運用が入るかは決まっていないので、基本的には当日のお楽しみ。言ってしまえばリゾートしらかみガチャ」ですね(笑 
公式HPで使用車両分かるとか言わない!

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今回は~…

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くまげら編成でした!

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この編成はHB-E300系を使用しているブナ編成・青池編成と違い、キハ40系を改造して誕生した列車です。つまりハイブリッドではなく純粋な気動車での運行、ということですね。かつてはブナ編成も青池編成もキハ40改車でしたが、2006年からハイブリッド車hB-E300系に置き換えられています。

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 時間がギリギリになってしまったので、急ぎ乗ることにします。いつもの悪い癖。

秋田駅、サラダバー!

 

[秋田8:20→東能代9:12/9:19→五所川原12;09 五能線 快速リゾートしらかみ1号]

ちょいとここで概要的なの書いておきましょうか。

リゾートしらかみは1997年に運行開始した五能線の観光列車で、秋田~青森を五能線周りで走ります。五能線沿線にはユネスコ世界遺産に登録されたブナ原生林の広がる「白神山地」はじめさまざまな観光資源があり、この列車は乗り通してよし、途中下車してよしの楽しい列車となっております。事実私も五所川原にて寄り道です。

他の観光列車と違うのは、本数の多さ。1編成で土休日運転が大半の他の観光列車と違い、3編成も用意しては1日で最大3往復も運転します。しかも夏のような繫忙期になると毎日運転になります。例えば地元の東武のSLDL大樹も休日4往復となかなかの規模がありますが、距離と規模ではコチラが圧倒的上。頻度では大井川鉄道のSL並みに運転されます。

この列車が走る五能線、かつては廃線危機に陥っていました。ですが、豊富な観光資源を武器にこの列車が運転されると、観光客が増え乗客は増加、利用客はV字回復し廃線の危機を免れます。この列車は、五能線廃線危機から救った立役者でもあるのです。

もう運行開始から20年以上が経過しますが、それでも夏には毎日運転し、時折満員御礼となるんだそう。また本数の少ない五能線においては、地域住民の足としても活躍するんだそう。

 

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とはいえ冬はこんな感じ。直近の情勢に加え、秋田新幹線から接続しない1号であることも相まって車内はガラガラ。逆に言えば人がいなくてストレスフリーであるとも言えますが。

1つ目の要所である東能代向け、秋田を出たくまげら編成は北へ北へと向かいます。

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この列車も、前回乗った快速同様昨年度のリベンジとなります。昨年は行き当たりばったりで秋田まで来て、リゾートしらかみに唐突に出会って、「追分で降りれば男鹿線のキハも乗れんじゃん!」と短区間なのにも関わらずその場で指定席券を購入し…それが今回、こうやってリベンジできることになろうとは全く予想もしておりませんでした。

そうそう、写真奥のキハ48に急ぎ乗り換えいったんですよね。こちらのリゾートしらかみはブナ編成でしたが。

 

 

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追分、8:31発車。昨年の11分乗車はいささかもったいなかったように思えますが、まあ楽しければヨシ!

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秋田発車時点で最後尾窓際席。足元は結構ゆったりとしていて、隣に人来ることもなかったんでずいぶん快適でした。

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車内放送で八郎潟の案内。かつて干潟だったところを田んぼに変えたとかなんとかの案内がなされていましたが、当の私と言えば「八郎潟跡地ってどの辺よー?」って感じでした。

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田植えでも実りでもないこの時期はしばらく見どころがなさそうなので、せっかくなので車内散策。先頭車はこんな感じで回転リクライニングシートがズラッと並びます。くまげら編成は赤いモケットのシートでこんな感じ。

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車内はハイデッカー構造となっておりますが、キッチリバリアフリー対応ともなっています。

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1両はボックス席。

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客車はガッツリ手が加わっていますが、デッキ部分につきましてはキハ40のような国鉄レトロな雰囲気が僅かに残されています。

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他のリゾートしらかみも同様ですが、最前部と最後部には展望スペースがあり、そこから前面展望を見ることができます。

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くまげら編成特有の面白い設備として、もはやデッドスペースと化している中間運転台の存在が挙げられます。元々両先頭車の列車を改造したので、こういうスペースが残っているんですよね。ここが先頭になることは果たしてあるのやら?

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とこんな感じで車内散策やっていたのはいいんですけど、朝早かったうえにおにぎり2コ食べた後なにも食べない状況でしたので、「ぐうぅぅ~ぅ」とお腹の虫が鳴る…

仕方ないので東能代で食料の調達を試みます。

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NewDaysで急ぎおにぎりとお茶を購入し、とんぼ帰りで列車へ。あの待合室にはキハの運転台があったらしいので寄りたかったのですが、断念。結構危なかったですが、間に合ってよかったです。

ここから列車はスイッチバックを行い、奥羽本線から五能線へ。40分走ってきて、ここにて座席も回転させます。ここで最後尾という地味席だった私の席は日本海側の最先頭席へと早変わりします。座席を回転し、いざ五能線\(≧▽≦)/!

 

「まもなく、能代です。しばらく停車いたします」

…あっ

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ということで能代駅にしばらく停車。完全に忘れておりましたし、能代駅なら目の前改札でNewDaysへのアクセス抜群でしたしで、オマエほんとに何やってんだという感じでございます。無能かな?ん?

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ちなみにバスケの街能代にちなみ、1号ではバスケのフリースローチャレンジを行うイベントが本来なら行われるのですが、冬の間はお休みでした(´・ω・`)

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丁度散策が終わったあたりで発車時間になったので、早め早めに乗り込みます。

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新庄駅で買っていた沖縄ヨーグルッペと横手のファミマ(だっけ?)で買ったお菓子。タルトタタンって盛岡の菓子メーカーだったようで。タルトタタンは美味しかったですが、ヨーグルッペはなんかイトーエンのナタデココドリンクからナタデココ抜いたような味わいだったように思えます(厳密には違う味ですが、連想するくらいには結構似ている)。

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列車は駅に停まったり、通過したり…

地形も地域も変わるので、天候も結構変わります。暖冬の3月とはいえ青森とだけあって、雪も降ってきました。

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雪の舞う中、岩舘駅へ。1本だけの定期快速3524Dと列車交換します。雪の中、車体を揺らしながら走ってくるブルーキハ。かっけぇ…!

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列車は海岸線を走ります。冬の日本海ゆえ海は荒れ気味で天気はイマイチですが、夏になると絶景スポットになるとか。

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個人的に好きな1枚

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列車は十二湖駅へ。ここまで2時間、結構来ましたが、リゾートしらかみ1号自体はまだ時間ベースで半分以上残っています。

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さて、リゾートしらかみでは「ふれあい販売」という車内販売があります。車内販売といってもこれは、地元の人が乗り込み地元の特産品を販売するというもの。乗車する区間、Rしらかみの号数、また日にち時期曜日によって乗ってくる事業者が変わり、その予定はHPで確認できるようです。

私も折角なので「マグカツドッグ」(300円)を購入。販売者は「ふかうら開発」というところのようです。ちっこ!…と言いたくなるような大きさですが、逆に言えばオヤツというか間食にピッタリの大きさ。他にプリンとかも販売しており、ちょっと油断したら硬貨が紙屑のごとく吹き飛んでいきかねません。車内販売、恐ろしい…!!(褒め言葉)

ちなみに味はというと、マグロ(多分)のカツは薄いのですが、ソースがしっかりかかったサクサク感の残るカツで、それが甘いパンとレタスにうまく組み合わさって美味しいです。

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先の区間にて。たしか「JIN CARE」という事業者だったでしょうか。500円でフリーズドライりんごとかどら焼きとか売ってました。今回は買わなかったけど、ものすっっっごく美味そうでした。お金があれば…!貧乏性旅行者じゃなければ…!

写真だけ撮らしていただきました。みんなリゾートしらかみに乗って是非買ってあげて(´・ω・`)

モチロン、食事だけでなく工芸品なども販売しております(事業者によります)。1つ1つは高くないのでついつい手が伸びそうになって、気づいたらすっごくお金減ってそう。ふれあい販売、怖い…(褒め言葉)。

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時系列が前後して、ここは深浦駅。先ほどマグカツドッグを購入させていただいた「ふかうら開発」の販売員さんがいらっしゃいます。椿山プリンスってプリン美味しそうだったなぁ~

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この駅でしばし停車し、リゾートしらかみ2号と行き違い。先ほどの「JIN CARE」という事業者は、この駅からご乗車してきました。

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多分千畳敷カール。車内放送にてこの辺りの解説が流れていました。「畳を千畳敷いて宴会した」って話でしたが、本当なんでしょうかね?

リゾートしらかみ2~5号は千畳敷に15分停車し、ちょっとだけ観光ができます。が、私が乗っているのは1号なので、残念なことに「通過」でございます。

 

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さて列車はしばらくすると内陸へ進路をとり、景勝区間も終わり。鯵ヶ沢に到着し、乗車時間も3時間超え。そろそろ疲れというか飽きてきたような感じになってきます…が、この区間にさしかかってきたあたりで、これまた地元の方によるパフォーマンスが行われます。1号では「津軽三味線」のパフォーマンス。三味線を使う人はもっとご高齢の方かと勝手に想像しておりましたが、思った以上に若い方でびっくり。

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三味線演奏が行われます。「津軽りんご節」だったか、弘前駅発車メロディー原曲「津軽じょんがら節」だったかちょっと忘れてしまいましたが、それらを演奏してくださいまして、その見事さにちょっぴり感動。

この演奏は車内モニターと放送装置を通じて、車両全体に流れる様子。ちなみに演奏中停まる陸奥森田・木造駅では車内放送が流れないので注意。

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さて三味線演奏ももう終わり、五所川原駅へ。名残惜しいですが、この後の予定上ここで降りなければなりません。

五所川原から先の区間ではまた別のパフォーマンスがあるそうですが、私は見れません。まだ乗ってない号数が5本も存在するので、これはいつかリベンジですね。

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総評。景勝区間が長く時期を選べば今回以上に楽しめる列車だなって思える列車でした。秋田~五能線~青森となるとかなり長くなり、景勝区間でないところもそれなりに長いのですが、その部分で乗客に飽きさせないような工夫をしていてすごく関心しました。ただ観光客に良い景色見せてオシマイ、というわけでなく、地元を思いっきり巻き込んで経済活性化にも一役買っており、なるほどこんな列車の人気が出ないわけがないなと感じました。まあもともと潜在的には観光資源が豊かだったのを、JR東日本秋田支社とこの列車が引き出したという感じでしょうか。

確かに面白い、また乗りたいと思える列車でした。もし私から一つ言うならば、「自販機を設置するといいかも!」でしょうか。デッドスペースがいくつかあったので、そこを利用してお茶、お水の他に地元名産のお菓子・ジュース・小物を販売する自販機を設置すれば「飲み水を買い忘れた!/足りなくなった!」*1という心配も無く手ぶらで乗れてもっと便利になるでしょうね。車内販売できるほどでない企業のものも自販機でしたら売れますし、人件費も不要。電力をどうするかが問題点でしょうが…

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リゾートしらかみをお見送り。いやぁ、すっごい楽しかったですね!

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さて、五所川原駅に到着。次に乗る列車まで時間があるのでいったん町に繰り出しますが、ここにていったん区切り。

続きます。

*1:※主は実際に一度やらかしたことがある